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外国人新資格「特定技能」認定進まず 半年で400人弱 政府、受け入れ拡大へ中国・タイと協力

外国人新資格「特定技能」認定進まず 半年で400人弱

政府、受け入れ拡大へ中国・タイと協力


 外国人の新在留資格「特定技能」導入から10月で半年を迎えた。5年間で最大約35万人を受け入れる政府試算に対し、現状の認定人数はベトナムなどからの400人弱にとどまる。日本経済新聞の取材に応じた出入国在留管理庁の佐々木聖子長官は、悪質な仲介業者を排除する協力覚書を中国・タイと早期に交わす方針を明らかにし、受け入れが増えると強調した。

特定技能は2019年4月に新設された。人手不足が深刻な飲食や介護など14分野を対象に外国人の単純労働を認める在留資格だ。これまで単純労働の実質的な受け皿だった「技能実習生」は多くが3年で帰国するのに対し、追加試験がなく5年間雇えるため技術やノウハウを伝承しやすい。政府は対象14分野の人手不足の状況をもとに今後5年で最大約34万5千人の受け入れを見込む。


 認定されたのは9月27日時点で376人で、ベトナムやインドネシア、ミャンマーなどの出身者だ。政府は当初、初年度に約4万人を想定したが現状はほど遠い。一因が企業側の対応の遅れだ。政府は特定技能外国人の待遇を「日本人と同等以上の報酬額」と規定した。だが実質的に単純労働を担ってきた技能実習生は、同一職場の日本人より安く雇われてきた。

飲食店出店支援を手がけ、特定技能人材をベトナムで養成する店舗流通ネット(東京・港)の担当者は「特に地方の中小企業で日本人と同等との条件に戸惑いがある」と話す。「月収15万円で受け入れたい」との声もあるという。


 大企業の取り組みもこれから。介護大手セントケア・ホールディングは20年から特定技能人材を雇う計画で、音声入力で介護記録を残すシステムの開発や通訳の雇用も検討する。担当者は「コストや手間を考えたらやっていけないが(人手不足の)先を見据え挑戦せざるを得ない」という。


 送り出す側の対応も遅れている。国外で試験を唯一実施したフィリピンの合格者は300人規模に上るが人材を送り出せない。「特定技能で再び問題が起きないよう指針を厳しくした」(海外雇用庁のオラリア長官)ため、送り出すルールの策定に時間がかかっている。早ければ年内に第1陣が訪日し、「働き始めるのは20年春ごろ」との見方が出ている。

在日ベトナム人の技能実習生が特定技能に資格が変わった例はあるが、ベトナムでは送り出し機関の選定など基本手続きが遅れ試験が実施できない。政府が日本での自国人の管理に不安を抱き慎重になっている。


 アジアでは韓国やシンガポールなどとの人材獲得競争が続き、日本の給与水準での魅力は薄れつつある。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、飲食店の店舗スタッフの月収は東京(19年1159ドル)とシンガポール(18年1032ドル)と差は縮まっている。

佐々木聖子・出入国在留管理庁長官


 入管庁の佐々木長官は9月27日時点で申請手続き中の人数と国内外の試験合格者数をそれぞれ2千人超と明かした。「特定技能外国人は今後着実に増加する」との見通しも示した。申請に対する許可は同日時点で国内外で376件。受け入れが進まない状況を「まだ試験を実施していない国も分野もあり、制度が複雑でわかりづらいなどの指摘もある」と認め、「入管庁としても努力をし環境を整えたい」とした。


 政府は制度導入前から技能実習生の最大の送り出し国のベトナムや中国、タイなど9カ国で優先的に2国間の協力覚書を交わすとしてきた。悪質ブローカーによる高額金銭の要求や来日後の劣悪な環境での労働など技能実習制度の問題を払拭するためだ。未締結の中国とタイでは送り出しルールなどが制定できず試験が実施できていない。

佐々木長官は「実質合意は5月にできており、最後の署名をどうするかという調整の段階だ」と強調した。「中国やタイの他にも交渉している国はある」とも語った。

(京塚環、山下美菜子、マニラ=遠藤淳)

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